パプアキンイロクワガタの繁殖の手順をわかりやすく説明していきます。初心者の方にもチャレンジしやすいように、できるだけ簡単な方法で。今回は後編で割出しから幼虫が羽化するまでの手順になります。
(前編はこちらから≫≫≫パプアキンイロクワガタ繁殖に挑戦!前編~ペアリングと産卵セットの作り方~)
全体の流れ
飼育過程 | 同時に準備するべきこと | |
① | ペアリング | 産卵セットに必要な物を揃える |
↓ 1週間 | ||
② | メスを取り出し休ませる | 産卵ケースにマット堅詰め |
↓ 1週間 | ||
③ | 産卵セットにメスを入れて産卵開始 | ゼリーは切らさないように |
↓ 1か月 | ||
④ | メスを取り出し・産卵セットは触らずそのまま待つ | 割出しの道具等の準備 |
↓ 1~2か月 | ||
⑤ | 割出して90㏄プリンカップに幼虫を1匹ずつ移す | 200㏄のプリンカップに幼虫用マットを詰めて準備 |
↓ 1週間 | ||
⑥ | 90㏄⇒200㏄のプリンカップに移す | 時々霧吹き・そっと見守る |
↓ 2~3カ月 | ||
⑦ | マット交換(必要に応じて) | できるだけ触らずにそっと見守る |
↓ 羽化まで数か月 | ||
⑧ | 羽化後、約1カ月で成虫用飼育ケースへ | 成虫用飼育ケース、エサを用意 |
⑤産卵が終わったメスを取り出してから、約1カ月経過したら
割出して90㏄プリンカップに幼虫を1匹ずつ移す
産卵セット内に幼虫は見えていますか?元気な幼虫が何匹も見えてきたらいよいよ割出しです。小さな幼虫を見つけていく大仕事ですが、頑張っていきましょう!
準備するもの
- プリンカップ(90㏄) 30個くらい
- たらい (洗浄殺菌しておく)
- ビニール手袋
- 幼虫を一時的に入れておく仕切り付きのトレー(製氷皿やお菓子のトレーなど)
- 幼虫をすくうためのスプーン
- 霧吹き
- ヒラタノコ1番 5~10ℓ (幼虫育成用のマット)←今回は無くても大丈夫です
手順
- 清潔なたらいに産卵ケースを逆さまに置いてトントンと叩き、マットをを塊のまま取り出します。
- ビニール手袋を着用して慎重に産卵マットを崩しながら幼虫を取り出し、スプーンを使って製氷皿などの仕切り付きのトレイに並べていきます。(仕切りのないトレイだと幼虫が動いて数がわからなくなります…)卵があればプリンカップに産卵マットを敷いてその上に卵を置いておきます。
- 全て幼虫を取り出せたら、幼虫の数だけ90㏄のプリンカップを用意し、今崩した産卵マットを再び詰め、指で軽く押さえます。軽く霧吹きもしておきましょう。(産卵マットの再利用ではなく、新しい幼虫飼育用マットを詰めても良いです)
- 真ん中を指で凹ませて、スプーンを使って幼虫を1匹ずつ移します。中に潜って行ったらフタをしましょう。フタには画鋲等で5か所くらい空気穴を開けるのをお忘れなく。(これを忘れると窒息してしまいます!)
- みんな無事に潜ったのを確認したら、静かな場所に置いてあげましょう。
- 卵は軽くマットをかぶせてフタをします。時々霧吹きをしながら孵化を待ちましょう。(卵が乾燥しないように注意!)
- 残った産卵マットはすぐに捨てずに保管しておくことをおススメします。とても小さいため、中にうっかり見落とした卵や幼虫が残っているかもしれません。後日もう一度幼虫がいないか確認してあげてください。
200㏄のプリンカップを用意しておく
割出しお疲れ様でした!繁殖させる場合、一番大変なのが割出し作業だと思います。あとはマット交換をしてサナギ、羽化と成長していく過程を見守るだけです。
まずは1週間後、一回り大きなプリンカップに移すのでそれまでに必要なものを準備をしておきましょう!
準備するもの
- プリンカップ(200㏄) 幼虫の頭数分
- ヒラタノコ1番 5~10ℓ (幼虫育成用のマット)
- ビニール手袋
- スプーン
- 霧吹き
⑥割出しから1週間経ったら
90㏄⇒200㏄のプリンカップに移す
産卵用マットから幼虫育成用マットに交換する作業です。⑤の割出しの後すぐに200㏄のカップに幼虫育成マットを詰めて、この工程を省いても良いのですが、幼虫の頭数がわかっているのでカップなどの用意がしやすいかと思います。
準備するもの(再掲)
- プリンカップ(200㏄) 幼虫の頭数分
- ヒラタノコ1番 5~10ℓ (幼虫育成用のマット)
- ビニール手袋
- スプーン
- 霧吹き
手順
- 200㏄のプリンカップに幼虫育成用のマットを詰めます。パサつくようであれば加水してから、カップの7割くらいまで手袋をした手でギュッギュッと押さえながら詰めます。
- 幼虫を取り出し、90㏄のカップに残っている古いマットやフンを新しいマットの上に乗せてあげてから、真ん中に指で凹みを作り、そこに幼虫をスプーンで優しく移します。
- フタは画鋲などで5か所ほど空気穴を開けてから、しっかりフタをします。
- 18~25℃で静かな場所に置いてあげましょう。
霧吹きを欠かさずそっと見守る
さて、幼虫たちは200㏄のプリンカップの中でマットを食べて脱皮をしながら大きくなっていきます。乾燥しやすいので霧吹きはこまめにしてあげたいところですが、それ以外はあまり触らないようにしましょう。幼虫育成はストレスを与えないようにそっと見守るのがコツです。
⑦蛹になるまでの間(必要に応じて)
マット交換 200㏄⇒500㏄ボトルへ
パプキンは他のクワガタに比べて小型で羽化までの期間が短いため、200㏄のカップのままで羽化まで可能です。なのでこの工程は省略しても構いません。
今回は、幼虫が元気過ぎてプリンカップから脱走しそうになったことと、マットが乾燥していたこともあり、500㏄のしっかりした幼虫ボトルに移すことにしました。中の様子が確認できる透明なものであれば、ガラス瓶やプラスチック容器などでも大丈夫です。
準備するもの
- 幼虫ボトル(500㏄)
- ヒラタノコ1番 (幼虫育成用のマット)
- ビニール手袋
- スプーン
- 霧吹き
手順
- 500㏄の幼虫ボトルに幼虫育成用のマットを詰めます。パサつくようであれば加水してから、ボトルの7割くらいまで手袋をした手でギュッギュッと押さえながら詰めます。
- 傷付けないように注意をしながら幼虫を取り出し、200㏄のカップに残っている古いマットやフンを新しいマットの上に乗せてあげてから、真ん中に指で凹みを作り、そこに幼虫をスプーンで優しく移します。
- フタに空気穴がなければ穴を開けてから、フタをします。
- 18~25℃で静かな場所に置いてあげましょう。
霧吹き以外は触らずそっと見守る
気温や湿度に気を付けてあげていれば、たぶん大丈夫です。元気に育ってくれます!様子を観察することは大切ですが、必要以上に触らず静かにそっと見守ってあげましょう。蛹の期間は特にデリケート!とにかく触らないようにしましょう。
⑧羽化したら
羽化後、約1カ月で成虫用飼育ケースへ
無事に羽化したら約1カ月で自分で蛹室から這い出てきます。そうなればもう一人前。成虫用の飼育ケースに移動させてエサをあげましょう!前蛹のころから数十日…何も食べていないので、早くエサをあげないといけません。出てきたことに気付かなかった…ってことがないように注意してあげましょう。
マットを少し減らし、ティッシュをのせておくと這い出てきた時にクシャクシャになるのでわかりやすいです。
成虫用飼育ケース、エサなどを用意する
準備するもの
- 飼育ケース
- クワガタ成虫用マット
- 昆虫ゼリー・ゼリー台
- のぼり棒・落ち葉・木片など
- 霧吹き
まとめ
パプアキンイロクワガタの繁殖の流れをまとめてみました。いろいろな方法があるとは思いますが、うちでやっている方法を紹介して、ほんの少しでも皆さんが可愛いパプキンと出会うためのお役に立てたら幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。これからもクワガタ飼育楽しんでいきましょう!
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